2009年04月01日

サバニ・ピース2009 七福神招来祭 ~宝船サバニ出航~

2009年は薩摩藩による琉球侵攻から400年
そして、国連制定「国際和解年」


サバニ・ピース2009 七福神招来祭 ~宝船サバニ出航~
サバニ・ピース2009 七福神招来祭 ~宝船サバニ出航~
2009年は、薩摩藩の琉球侵攻から400年、琉球処分から130年という沖縄、そして日本の歴史にとって節目の年。
国連が「国際和解年」に制定していることからも、「すべての武器を楽器に」のメッセージのもと、侵略により受けた民族の傷を、「理解」と「愛」へと切り替え、沖縄から世界に向かって平和友好の握手の手を差し伸べるようなアクションを起こす素晴らしい機会だといえる。

薩摩軍が首里城に上陸したのが1609年 4月1日、奇しくも第二次大戦で米軍が沖縄上陸したのも4月1日。
4月1日に武力を乗せた船が沖縄に上陸したことに対し、平和へと切り替えるために幸福と繁栄を携えた七福神を乗せた宝船を招来するという喜納昌吉提唱の「サバニ・ピース2009七福神招来祭」が那覇市で行われた。

七福神招来祭は、宝船に見立てたサバニ(沖縄の手漕ぎ船)に七福神を乗せて漕ぎ出し、那覇市奥武山公園に上陸し、練り歩き、平和祈願や伝統芸能の奉納を行うというもの。
今帰仁村の七福神の伝統芸能を継承する湧川青年会が七福神に扮し参加して頂いた。
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出航式の挨拶の中で喜納は「4月1日といえば一般的にはエイプリルフール。
今日は嘘をついても許されるというジョークの日だが、沖縄は平和の島といわれるが実際には大いなるジョークになってしまっているのではないか。
もし本当に平和の島であるならばこんなに軍事基地はないはず。沖縄は騙されっぱなし、実体は軍事の前線だ。

4月1日とは400年前、首里城に薩摩軍が入った日。
そして米軍が沖縄に入ってきた日。
この日に戦争という災いが2つも沖縄の歴史に入ってきた。
どうやってこの2つのトゲを抜き傷を治していくかが重要。
その意味では、奇しくも当時薩摩軍が最初に上陸した今帰仁から七福神の芸能を継承されている方々が今回の大役を引き受けて頂いたことは非常に大きい意味がある。
今日は、七福神を迎えることによって戦略的キーストーンと呼ばれる沖縄を大転換させ、本当の意味での平和の島にする出発点という日にしよう」と挨拶。
また、沖縄社大党元委員長の瑞慶覧長方氏により激励の挨拶とともに力強く琉歌が詠まれた。


「戦世(いくさゆ)や除けて(ぬきてぃ) 弥勒世(みるくゆ)や迎(ん)けて(けーてぃ) 七福神(しちふく)ゆ乗せて(ぬしてぃ) 互(たげ)に漕(く)がな」

サバニ・ピース2009 七福神招来祭 ~宝船サバニ出航~

この日は風が強く風速15mを超える中、干潮の夕方5時16分、これから潮が満ちていくように七福神のもたらす幸福と繁栄が満ち溢れていくことを願い、サバニは七福神と喜納を先頭に那覇埠頭から三重城を経て奥武山公園を目指し出航した。
上陸地では首里城ピースセレモニー、アース・ガーデン平和祈念セレモニー、真珠道セレブレーション・アース・ウォークをつないできたセレブレーション・アースの面々も合流。
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宝船となったサバニは奥武山公園の国場川沿岸にセレブレーションミュージックや太鼓やドラの音の鳴り響くなか到着。
紅白のバラの花びらや、紙ふぶきが舞い、七福神が一人ずつ上陸すると歓声が沸き起こり、大勢の出迎えの人々に祝福された。

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琉球王朝の路地楽(るじがく)の哨吶(ツォーナ)(チャルメラ)の『音取(ニドゥイ)』が流れ、「ミルク節」に合わせ七福神共々参加者が練り歩き、琉球古神道の琉球八社で知られ以前より七福神が奉られる沖宮に到着した。
沖宮では平和祈願祭が執り行われ、伝統芸能として琉球舞踊かぎやで風、琉球王府おもろ、沖縄空手演舞、今帰仁村湧川青年会による七福神の舞いが奉納され、最後に喜納も『花』を歌った。

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参加したセレブレーション・アースのアース・ウォーカーのポール・コールマン氏は「本来なら薩摩侵攻から400年というと深刻になりがちだが、それを新しいエネルギー、新しい平和の方向へ向かっていくこの祭りは本当に素晴らしかった」と感想を述べた。

最後は喜納は「沖縄の琉球以前のオリジナルの名前はウルマ。
ウルは珊瑚で、ウルマは珊瑚の島という意味を持つ。
不思議なことに、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の宗教間の争いが多くの世界紛争の火種となっているが、この宗教の源流であるユダヤの父アブラハムの出生も文明の故郷といえる今のイラクにあるウルという土地である。
そのウルには、七つの神が海からあがってきたという話があると聞く。
また沖縄でも宮古島の八重干瀬にウルという場所があり七福神が海からあがってきたと伝わっているという。
これが無縁とは思えない。

七福神やウルを探求し、今日沖縄で七福神を招来したことは、アブラハムの時代までさかのぼり一度切れてしまった循環をつなぎ直し、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の争いに象徴される現在の戦争文明を鎮める大きな役割があったように思える。
今日の七福神の踊りを見ると心が和みうれしくなる。
人々の心を奪う文化ではなく、人々の心に本当に豊かさを与えていく文化が沖縄にはたくさん宝としてあるということが再発見できた」と挨拶した。

喜納はサバニが七福神とともに上陸したとき、なにか琉球王朝の当時の深い悲しみに触れたような感じがしたという。
もし沖縄の先祖たちもこの祭りを眺めていたとするならば、みんなの願いがなにか歴史に触れたのかもしれない。
参加者からは「主旨が最高」、「沖縄に七福神などまだ知らない素晴らしい芸能があるんだ」などの声があり、非常に有意義な祭りとなった。

喜納は国際平和デーにも関連して9月連休に沖縄で祭りを行うことも計画している。サバニ・ピース2009 七福神招来祭 ~宝船サバニ出航~





Posted by セレブレーション・アース沖縄 at 20:00 │サバニ・ピース